2020.03.25 第22回2019年度キタン会「学生懸賞論文」表彰

今年は、謝恩会及びキタン会入会歓迎会が中止となったため、経済学部第1講義室で、表彰を行いました。
最優秀賞相馬 希美角ケ谷キーエンスの経営分析 ―逆転の発想と高付加価値経営―
優秀賞村上 元太高橋スチュワードシップコードが日本企業にもたらした影響 ー自社株買いに注目した実証ー
 〃榊原  真角ケ谷ダイバーシティ経営のすゝめ ~ブラザー工業株式会社の事例を基に~
佳 作伊藤沙也加土井米中戦争から考える米国の貿易パターンの変化と国内の雇用に及ぼす影響 ーヘクシャー=オリーン定理を用いた米中貿易の実証分析―"
 〃小林 啓介清水マイナス金利政策導入が期待インフレ率に与えた影響 ~VARモデルによる実証分析~
 〃佐々木 遥野口日本におけるIFRS適用の実態と今後の会計制度の展望
 〃竹内 瑞貴角ケ谷ジンズ株式会社のイノベーション経営 ー停滞メガネ市場における競争優位戦略ー
 〃小川 祐司他4名藤田地方自治体間の税収格差に関する分析 : ジニ係数と平均、分散を用いた指標を比較して
【 審査講評 】 審査委員長  伊貝 武臣 第22回の応募論文は昨年に比べ7点多い20点あり、4年生が19点(うち、グループ応募3点)、3年生が1点でした。その内容は、企業戦略に関する論文が7点もあり、ダイバーシティ、エネルギー・地球環境、金融政策、企業会計等、多岐に渡っていました。 論文審査は3人の委員で行い、研究内容の独自性、調査研究の幅と深さ、論旨の一貫性、分かり易さと説得力の観点から評価しました。説得力とは調査研究の成果や結論が社会に貢献できるかどうかということです。 審査の結果、最優秀賞1名、優秀賞2名、佳作5名を選定しました。最優秀賞は、相馬希美さんの「キーエンスの経営分析-逆転の発想と高付加価値経営」でした。優秀賞は、村上元太さんの「スチュワードシップコードが日本企業にもたらした影響-自社株買いに注目した実証」、および、榊原真さんの「ダイバーシティ経営のすすめ-ブラザー工業の事例を基に」でした。佳作には、伊藤沙也加さん、小林啓介さん、佐々木遥さん、竹内瑞貴さん、小川祐司さんグループが選ばれました。相馬希美さんと竹内瑞貴さんは角ケ谷ゼミに属し、昨年もグループで参加し優秀賞を受賞しています。 最優秀作品の「キーエンスの経営分析」は、企業理念として掲げる「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」「目的意識をもって主体的に行動する」「市場原理・経済原理で考える」の実現のために、ブルーオーシャン戦略を基にした高付加価値経営を採用している。 その具体策として、高付加価値を実現できるコンサルティング営業、顧客から集めた「ニーズカード」による応用研究・製品開発、製造工場を持たないファブレス体制、商品の値決めを原価方式ではなく使用によって得られる顧客利益とする方式、業績連動賞与等が実施されている。コンサルティング営業は、お客様の現場でヒアリングを行い、ニーズや問題解決に対応するために、それまでに蓄積したノウハウをデータベース化したカタログで製品の提供を行う。営業社員はその過程で潜在的な要望を「ニーズカード」とし、製品開発・技術開発に関与する。このような企業戦略・施策により、キーエンスは、売上高営業利益率50%超、ROE15%、労働生産性50百万円を実現し、無借金経営で自己資本比率90%の盤石な財務体質も実現している。この戦略は、現在の日本企業にとって近未来の企業戦略の在り方の一つを示しています。 審査員が感じたことは、やはり、分かりやすさが重要であるということです。内容が先進的で正しくあったとしても、数理・統計手法を多用しても理解が得られません。それを容易に理解できるように心掛けることが論文作成においては大切なことと思います。 今後の経済社会は、激変していくことが予想され、それに政治や企業経営がどう対応していくべきかが問われています。経済学部生として様々な課題に積極的に取り組んでいただくことを期待します。